随求堂の御本尊「大随求菩薩座像」【秘仏】
造立年
1733年(亨保18年)
大きさ
像高:110㎝
素材・造立方法
寄木造り、金泥(金箔)押し、水晶玉眼、金銅メッキ加工(宝冠)
材質
ヒノキ材
作者
盛松権律師
大随求菩薩の別名
随求菩薩
随求大明王
「大随求菩薩」の読み方
「大随求菩薩」は「だいずいぐいぼさつ」と読みます。
「大随求菩薩」の名前の意味と由来
「大随求菩薩」とは、大勢の人々の求めや願いに随って(したがって)、その多(大)くの願いを成就させてくれる仏様であることから、「大随求菩薩」と呼ばれています。
密教の大随求菩薩がなぜ清水寺にて奉安されている?
実は1965年(昭和40年)まで清水寺は法相宗の寺院として名前が通っていましたが、当時の住職・大西和上が「北法相宗」を立ち上げ、法相宗の籍を抜けています。
よって現在は北法相宗という京都清水寺独自の宗派に属していますが、実は過去に「真言宗と上述の法相宗と2つ宗派に属していた」時期がありました。
何が言いたいのかと申しますと、大随求菩薩とは密教で祀られる密教独自の菩薩様であり、すなわちこれは清水寺が過去に真言宗に属していたことの裏付けともなるものです。
清水寺・随求堂「大随求菩薩」の大きな特徴
清水寺・随求堂「御本尊・大随求菩薩」は八臂(はっぴ/8本の腕)あり、それぞれの腕には剣や錫杖などの法具を持物として持っています。
大きな特徴となるのが、八臂の仏像では羂索(けんさく)という「逮捕しちゃうぞ♥・・的な(こホンっ!)手錠が先についた縄を持っていますが、この大随求菩薩に限っては、なんと!「蛇(へび)」を手に持っています。
これはまさか・・「おイタしちゃうと蛇でカミカミして逮捕しちゃうゾ♥」・・と、言うことなんでしょうか!!
しかしおそらく意味合いとしては、羂索と同じく蛇を使うことで衆生の願いや悩みを蛇のトグロで絡め取ってあげちゃぅ♥ウフぅん・・といったことになると考えられます。
造りは繊細で細部まで細かく表現されており、江戸期の技術の高さを証明するかのような見事な出来映えの仏像です。
例えば頭上の化仏の乗った宝冠や、首から下げた瓔珞(ようらく)という飾り、その他、随所に見られる金箔などの金を使用した様式は、派手で綺羅びやかな江戸時代前期・元禄文化を象徴する大きな特徴と言えます。
この他、蓮台の繊細な金箔押しの彫刻も大きな見どころとなります。
ちなみに、この座像が大随求菩薩であることを証明するもっともな特徴としては、光背(こうはい)があり「大随求陀羅尼(だいずいぐいだらに)」と呼称される陀羅尼が据えられているからです。
この大随求陀羅尼には、大随求菩薩が座する蓮弁(蓮台)と、自らのシンボルマークであり梵字(ハラ)が一文字ずつ金泥で描かれています。
かつては現在の境内・宝蔵殿で安置されている重要文化財の毘沙門天立像(平安時代中期造立)と、吉祥天が脇侍として祀られていたと云われています。
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