八福神信仰とは?
八福神信仰とは、従来の七福神信仰に1柱加え、8柱の福の神を「八福神」として成立させた信仰のこと。
八福神信仰が成立したのは江戸時代中頃
このような八福神信仰は1712年(正徳2年)に清水寺へ八福神の扁額が奉納されたことに端を発するもの。
当時、大乗仏教の仁王般若経(仁王経)で説かれる「七難即滅、七福即生」の経文が、七福神に通じるものがあるとして七福神信仰の教義の核にあった。
「七難即滅、七福即生」とは、『七難(あまた)の災難はたちまち消滅し、七福(多くの福徳)に転じる』というもの。
七難とは?
七難とは、人生を歩む中で出くわすとされる七種の災いのこと。内容は宗派(経典)によって異なるが、概ね火難、水難が中心。
七福とは?
七福とは、律義・有福・威光・愛嬌・大量・人望・寿命のことを指す。
8人目(柱)の福神は誰?
気になる8人目の福の神には「於福(おふく)」という多幸・多福の象徴たる女神が加えられた。
この於福という女神が加えられた扁額(図絵)は、多くの人々の目に留まることになり、やがて七福神信仰から派生する形で八福神信仰なるものが生まれる。
このような八福神信仰は江戸を中心に全国に伝播したと云われる。
八福神信仰の教義
八福神信仰の教義の核にあったものは「七福に倍する福」というもの。一言で分かりやすく言うと、八福神を信仰すると七福神を信仰したときよりも招福の利益が倍増するということ。
八福神遊戯之図
「八福神遊戯之図」とは、前述の八福神が描かれた図絵のこと。
往時はこの図絵を多くの信奉者に頒布していたことから、版木(はんぎ)があった。
版木とは、平べったい木板に文字や絵などを彫りつけて木版とした木板のこと。分かりやすく言うと昔の印刷機。
2006年(平成18年)8月、清水寺大日堂(塔頭の真福寺)にて八福神遊戯之図の版木が発見され、往時の清水寺に確かに八福神信仰が存在していた事実が明らかにされた。
清水寺ではこれを記念して、参拝客の多幸多福を祈願する形で八福神遊戯之図の版木から起こした当時の図絵を頒布している。
現在、清水寺では以下の2種類頒布している。
多幸・多福にまみれてみたいコノヤローはぜひ!
八福神の布巾
- 材質:本麻染布
- 値段:3000円
八福神の額
- 値段:5800円(額付き)
瓢箪屋でも八福神のグッズが販売されている
他にも三年坂(産寧坂)手前に建つ、瓢箪屋でも店内にて八福神の布巾が販売されていたりするなど、どうやら現在も水面下で八福神信仰が息づいている様子がうかがえる。
なお、瓢箪屋のオヤジに言わせると、福にあやかろうと福の神グッズを買う=喜捨(きしゃ)した心意気のある「あなた自身が8人目の福神」とのこと。ウマぃっ!
それをメッセージで伝えるかのように瓢箪屋の絵図の中には8人目の福神が書かれていない。
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