京都・清水寺「経書堂」
読み方
- きょうかくどう
創建年
- 不明
屋根の造り
- 入母屋造、瓦葺、唐破風付き
御本尊
- 厩戸王(聖徳太子)像
開基
- 伝・厩戸王(聖徳太子)
経書堂の名前の由来
経書とは、経典のこと。住僧が法華経の経文(きょうもん)を経木(きょうぎ)あるいは、小石に書いて奉納するように勧めたことが名前の由来になっている。
その名の通り、納経をするお堂でしたが、経書堂で行われる納経は独特で、経木(きょうぎ)に法華経などの文を書いて死者を弔ったと言われています。
経木とは、木を紙のように薄く削ったものです。
また、小石を集めて、石の1つ1つに1文字ずつ華厳経などの文字を書き、それに水を注いで死者を供養したとも言われ、これらの風習が「経書堂」の名前の由来となりました。
「経を書く堂」なので、読み方も「きょうしょどう」ではなく、「きょうかくどう」だというわけです。
清水寺・経書堂の歴史
経書堂は江戸時代、清水寺成就院の支院でした。
現在は清水寺の境外塔頭(たっちゅう)である、来迎院という寺院の本堂です。
塔頭とは、寺院の中に建てられた墓塔や小さなお堂のことですが、経書堂は清水寺の境内の外にあるので、「境外塔頭」と言います。
創建や歴史についての詳細はわかっていませんが、厩戸王(聖徳太子)が創建したとも言われています。
もしそれが正しければ、創建年は600年代初め頃となるでしょう。
一方で、厩戸王の写経所跡だという説もあります。
経書堂は中世の謡曲「熊野」や「経書堂」に謡われていることから、遅くとも室町時代には存在していたと考えられています。
また、「来迎院」の院号や「経書堂」の呼称は、江戸時代には浸透していたことがわかっています。
天保9年(1838年)の銘が見える石柱
朝倉堂の奪衣姥像
かつて、経書堂の道の向かい側には、清水寺・成就院の子院であり、愛染明王を祀る「法成寺」が建っていました。
法成寺の姥堂(うばどう)には、三途の川で死者の衣服を計量し、罪の重さを閻魔大王に報告する「奪衣姥(だつえば)」が安置されていたそうですが、残念ながら明治時代に廃院となっています。
現在、この姥堂にて奉斎されていた奪衣姥像は清水寺境内の朝倉堂に移されてい‥‥‥申す。ギャホェっ
経書堂は清水寺参拝の休憩所としても機能していた
経書堂は納経所としてだけではなく、清水寺を参拝する人々の休憩所としても親しまれていたようです。
江戸時代までは真言宗の寺院でしたが、現在は清水寺の塔頭となっているので、清水寺と同じ北法相宗となっています。
清水寺・経書堂の御本尊「厩戸王(聖徳太子)像」
- 造立年:不明
- 像高:約90cm
経書堂の御本尊「厩戸王(聖徳太子)像」は、一説に厩戸王本人が造ったとも言われる、厩戸王16歳の像です。
脇壇に阿弥陀三尊像を拝していると言われていますが、これらも含めて、非公開となっています。
ちなみに、境内には、「開基本尊 聖徳皇太子」の石碑があります。
能楽「熊野」では、父が突然出家した行方不明になった話が記されており、子が父親探しをあきらめていた時、たまたま腰を休めた経書堂にて父親に出くわすことができたというエピがつづられてい‥‥‥申す。ジェァファァっ
能楽「熊野」は世阿弥により作られたとされることから、室町時代、清水寺には多くの巡礼者が必ず参拝するような寺院だった様子を如実に物語ってい‥‥‥まする。(フェイント)
⬆️堂前の岩座に「當(当)寺 開基 聖徳太子」の陰刻が見える。
経書堂の見どころ「重軽石」
本堂には、座布団の上に「重軽石(おもかるさん)」という丸い石が置かれています。
「願掛け石」や「占い石」とも呼ばれ、願い事を念じながら持ち上げ、軽いと感じれば願いが叶うのだそうです。
重軽石(おもかるさん)の占い方と占い結果
「何か思うことがあるのなら、仏様にお聞きするつもりで信心を込めて石を持ち上げ、軽く持ち上げられれば万事良しという印」
「だが、持ち上げられなければ、明日は軽く感じられるように、自ら考えてみること」
とされています。
なお、このような重軽石はこの経書堂に見られる特有のものではなく、たとえば高野山(奥の院)や、伏見稲荷大社にも重軽石があって、いずれも参拝客の人気の的となってい‥‥‥申す。ア、カルっ(あ軽っ)
清水寺・経書堂の御朱印
経書堂では、2015年頃までは「聖徳皇太子」の御朱印が授与されていましたが、現在は中止されています。
清水寺・経書堂の場所(地図)
経書堂は、三年坂(産寧坂)が、松原通(清水坂)にぶつかる角に建っています。
清水寺の仁王門からは、徒歩で約3分です。
経書堂のINFO
- 住所:〒605-0862 京都府京都市東山区清水2-223
- 電話番号:075-561-5781
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