京都・清水寺「木造・十一面観世音菩薩立像」【重要文化財】
造立年
不明
推定:平安時代
像高
168cm
造立方法
素木・寄木造り
作者
不明
重要文化財指定年月日
1966年(昭和41年)6月11日
安置場所
清水寺・大講堂「宝蔵殿」
十一面千手観世音菩薩立像の読み方
「十一面観世音菩薩立像」は「じゅういちめん かんぜおん ぼさつりゅうぞう」と読みます。
十一面千手観世音菩薩立像の特徴・見どころ
この十一面千手観世音菩薩立像は、京都・清水寺が所蔵する仏像群の中でも最古の仏像となります。
造立年は不明、作者も定かではありませんが、おおよそ平安時代あたりの造立だと云われています。
特徴としては、華奢な身体つきの割に顔がドデカイ像で、ふくよかなアゴに半目、髪の毛を頭の上に束ねた「髻(もとどり)」の造形などから、平安時代の特徴を濃く残すということで造立年が割り出されています。
持物に水瓶を持っていますが、これは江戸時代に制作されて取付けされたものです。
おそらく動乱の最中で落ちてなくなってしまったものと考えられます。
胸元から腰にかけて垂れ下がる瓔珞(ようらく/=飾り)も長い年月を経る過程で紛失し、江戸時代に新たに制作され取付けされたものです。
十一面千手観世音菩薩立像の造立方法と造り
十一面千手観世音菩薩立像の造立方法は「一木造り」で造立されています。
一木造りとは、「いちぼくづくり」と読み、これは「1本の木を切り出して造像する方法」で、主に鎌倉時代以前に用いられた造立方法です。
一木造りは1本の木のみを用いることから大きな仏像は造立しにくいのですが、例外を除いては職人が1人で彫るので職人の個性や特徴が出やすくなります。
この十一面千手観世音菩薩立像材料にはクスノキ材が使用されています。
現在はヒノキ材が主流ですが、飛鳥時代から平安時代ではクスノキ材が主として使用されていました。
かの法隆寺の仏像群もほとんどクスノキ材で造立されています。
ちなみに余談ですが、日本に初めて伝来した仏像は、飛鳥時代から奈良時代に大阪湾に流れ着いた「クスノキ材を用いて造立された仏像である」と云われております。
その後、材質が調査され、仏像を造像する際はすべてクスノキ材が使用されるに至っています。
清水寺・宝蔵殿の場所
宝蔵殿は、清水寺の大講堂にあります。
大講堂は寺務所の隣りに位置し、通常は一般非公開の場所です。
不定期で特別に一般公開され、この時に宝蔵殿の仏像が拝観できます。
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